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トクホに押され市場低迷
製薬各社が、低迷する栄養ドリンク剤市場のてこ入れに本腰を入れ始めた。「リポビタンD」で知られる最大手の大正製薬が今月、さいたま市の大宮工場の生産能力を増強させたほか、第一三共ヘルスケアも「24時間戦えますか」のコピーで一世を風靡(ふうび)した復刻版「リゲイン24」を18日に発売。エスエス製薬も今春、新製品を投入した。急速に売り上げを伸ばすトクホ(特定保健用食品)飲料に対し、巻き返しを図る。
増産、復刻版、新製品…
「多様化している消費者ニーズへの対応が重要だ」-。大正製薬の上原明社長は、大宮工場の生産増強の狙いをこう語る。
同社はドリンク剤市場で43%のシェアを誇る最大手だ。しかし、脂肪燃焼などをうたうトクホ飲料の相次ぐ市場投入の前に、値引き以外の有効な対抗手段を見いだせず、それが収益をさらに圧迫させる悪循環に陥ってきた。
総工費96億円を投じて新設された製造棟は、主力の「リポビタンD」(100ミリリットル、153円)や「ゼナキング」(50ミリリットル、2100円)など、30余りある同社全ドリンク製品の生産・包装に対応し、生産速度は従来の2倍で、生産能力は1日最大100万本。最新設備の投入で、女性や子供向けも含めた幅広い層の需要にきめ細やかに対応する。
一方、第一三共ヘルスケアは18日、20年前の発売当初の味や成分をそのまま再現した復刻版「リゲイン24」(50ミリリットル、294円)を発売した。バブル景気に乗り、平成2年度には67億円の売上高を記録したが、昨年度は19億円にまで落ち込んだ。原点回帰で景気回復の波に乗る戦略だ。
大正製薬や第一三共ヘルスケア以外にも、エスエス製薬が今春、甘さを抑えた「エスカップクール」を新発売し、販売下落傾向に歯止めをかける。武田薬品工業は錠剤と合わせてドリンク剤も「アリナミン」を「疲れ対策」としてイメージづける宣伝を展開する。
ドリンク剤は、11年の規制緩和でコンビニエンスストアやスーパーで販売できるようになり、需要は拡大した。だが、景気に左右されやすい商品特性に加え、トクホ飲料に顧客を奪われ、13年度に売り上げ2700億円だった市場規模は、昨年度には2100億円にまで落ち込み、各社の業績を圧迫している。各社は新商品をはじめとするあの手この手の作戦で、かつての人気商品の“復権”を目指す考えだ。
(2007/06/19 11:59『Sankeiweb』)
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