03 | 2025/04 | 05 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 |
27 | 28 | 29 | 30 |
健康に、便秘に いい草「イグサ」
イグサが見直されている。汗や室内の有害物質を吸ってくれる特長を生かし、ヨガ用マット、生け花風の置物といった新しいインテリア製品がお目見えしている。さらには青汁やせっけんも。排便を促す作用やリラックス効果などを、科学的に解き明かす研究も始まった。
東京都世田谷区に住むレストラン店長、福井雅(みやび)さん(31)は昨年、国産のイグサで作ったゴザを買い求めた。夏の間、敷布団の上に敷いて使ったところ、「汗をかいてもべたべたしないため、ぐっすり眠れました」。
ゴザは、食品などの会員制宅配サービスを展開する「らでぃっしゅぼーや」(東京)で購入した。同社は国産イグサの加工品を多くそろえ、ゴザや座布団などの定番のほか、ヨガ用マット(4410円)、枕(4200円)といった新製品にも力を入れている。
同様の会員制宅配サービスを行っている「大地を守る会」(同)でも、生け花風の置物「癒し草」(840円)、ランチョンマット(1575円)などが人気を集めている。
インテリア製品の製造・販売会社、イケヒコ・コーポレーション(福岡県大木町)で売り上げを伸ばしているのが国産イグサのゴザ「座王」。2メートル四方で2・5万~3万円と、中国産の同クラス製品の2倍以上だが、内側にもクッション状に詰めるなどイグサを通常の4~5倍使っている。「イグサは二酸化窒素などの有害物質を吸ってくれる。気密性の高い部屋に住んでいる分、自然志向が高まっているようです」と同社。
異色の製品も登場している。健康食品などを販売するエス・エフ・シー(熊本市)は、食物繊維をレタスの40倍含むイグサの青汁(45グラム入り3150円など)を販売。市民団体「ネイチャーやつしろ」(熊本県八代市)は、イグサをティーバッグ状にした入浴剤(8包入り)とせっけん(150グラム2個入り)を、それぞれ300円で売り出している。
畳でおなじみのイグサは、インド原産。茎はスポンジ状で弾力性に富む。北九州市立大准教授の森田洋さん(生物資源工学)は「この茎が空気中の有害物質を吸着するほか、吸湿性に優れ、食中毒細菌などに対する抗菌作用も確かめられている」と説明する。
国内のイグサの栽培面積は、安価な中国産に押され、減り続けている。代表的な産地である熊本、福岡両県の昨年の作付面積は前年より19%少ない1370ヘクタールで、最盛期だった1972年の1割ほどという。
森田さんは、イグサの効用を科学的に分析し、発表してきた。▽体内に取り込むと排便を促す作用がある▽バニラエッセンスと同じ成分(バニリン)が含まれ、それがリラックス効果をもたらす――などだ。森田さんは「国産も中国産も収穫した時点では、品質や機能面でほとんど変わりない。しかし中国産は船で輸出する際、カビが生えないように乾燥させるため、国産に比べて傷みやすく、機能面も劣化していることが多い。国産イグサの利点は、もっと知られていい」と話している。
(2007年4月24日 読売新聞)
[PR]
ビリーズブートキャンプ